伊勢に路面電車が通っていた頃に使われていた変電所跡。もう100年ほど前のコンクリの建物です。ここで朝からサトナカを焼きます。
変電所のある朝熊町は古い歴史のある小さな集落。「お伊勢行くなら朝熊をかけよ 朝熊かけねば片参り」と、伊勢音頭に唄われた
朝熊山のふもと。伊勢の他の地域と比べて寒さも厳しく、その気温差によって育つ「朝熊小菜」はキュッと締まった歯ごたえのある
おいしいお漬物になります。
一方、伊勢の台所と言われた河崎。かつては水運を利用した流通の要の場所であり今でもいくつかの蔵が立ち並んでいます。
ここにモナリザと珠家があります。モナリザは100年前の、珠家は160年前の蔵を使った店です。珠家では私自身が店に立っていて、
お客さまから「おいしい!」と言われるのが大好きなので、調理&接客をしています。
河崎と朝熊は車で15分、電車では2駅ほど離れています。このように朝から晩までいくつもの場所を毎日行ったりきたりしています
ので、結構忙しい人のように思われていますね。そうかも知れません。でもとても楽しい。時々サボって進富座で映画を見たりしてます。
2002年から中谷タケシとユニットEMELONで伊勢を面白くする仕掛けを作り続けています。カフェ、地図、土産、音楽イベント、活動は
限定していません。地元に住まうものが自ら楽しめる町を自ら作り上げることが町の魅力であると信じています。
また、朝熊の自然が育んだ2人の兄弟、橋本平八と北園克衛は国内外で知る人ぞ知る彫刻家と詩人ですが2人とも祖父の叔父にあたる
ため、この2人に関する活動もしています。
伊勢から全国へ、世界へ。そして世界から伊勢へ。もっともっと面白い展開が私たちにも作れるはず。
今、少しずつでも形になっていく楽しさを実感しているところです。
2011年10月 はしもとゆき
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